私が暮らす兵庫県豊岡市は、今ホタルが見頃の時期を迎えています。ホタルが見頃の時期というのも、川筋の下流域から上流に向かって少しずつ移動していくらしいのですが、私の自宅の近くはまだまだ沢山飛んでいます。
私が子供の頃は、ホタルが飛び始めると近所の子供達が虫かごを抱えて我先にと飛び出してきて、必死にホタルを捕まえてカゴに入れ、それを持ち帰りちょっとしたイルミネーション代わりにして楽しんだものでした。そうして楽しんだホタルは、翌朝には逃がしてやります。ホントは逃がしたくなかったのですが、大人達にホタルの命は短いからと言われ、いつもしぶしぶ逃がしてやりました。そうしてまた、夜になったら捕まえに行くのですから、考えてみたら同じ事かもしれないのですが、いつもそうしていました。
今、ホタルを見て一番楽しいのは、ホタルの美しさは勿論ですが、そうした幼い頃の記憶も一緒によみがえってくることです。川筋をゆらゆらと飛ぶホタルに手を伸ばし、運良く捕まえた時に見るホタルは、小学生だった頃の天真爛漫なドキドキ感も一緒に運んできてくれます。
私にも子供がいるのですが、もうすでに親の手を離れてしまっています。子供達は都会の環境で育てましたから、私と同じ様な経験をさせてやることは出来ませんでした。一方で、都会ならではの経験は当然しているのだと思います。私がホタルを見て感じるような感傷を、都会で育った子供達は何を見て感じるんでしょうか。今度息子達にそんなことを聞いてみたいと思います。